音楽をやる上で欠かせない音楽用語。
練習している時やちょっとした時に、あ、これ何だったけと思う時がありますよね。
そういう時に便利そうなのが音楽用語辞典のアプリ。
調べてみると、音楽用語辞典のアプリがいくつかあります。
せっかくなので、いくつかインストールして使い心地を調べてみることにしました。
今回は、音楽用語辞典のアプリの機能や使ってみた感想をご紹介しますね。
※この記事の情報は、2024年3月のものです。
音楽用語辞典のアプリのご紹介&使い心地
今回使ってみた音楽用語辞典のアプリは全部で6つ。
- 音楽用語辞典(8000語以上収録)⇒Android、iPhone
- 音楽用語辞典⇒Android
- 音楽用語を一発検索!楽語辞典⇒iPhone
- 6か国語音楽用語辞典(音楽之友社)⇒Android、iPhone
- 音楽用語一覧検索⇒iPhone
- 音楽用語ファインダー⇒Android、iPhone
私のAndroidのスマホとiPad(iPhoneは持っていないので)でそれぞれインストールして使ってみました。
アプリの種類はiPhoneの方が多いですね。
ではこれらを一覧表にしてざっと見てみましょう。
アプリの種類 | 良かった点 | ちょっと気になる点 |
Android、iPhone |
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iPhoneのAI読み取り機能の精度が少し不安定。 |
Androidのみ |
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iPhoneのみ |
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一覧表から探すのみで、自分で用語を入力して検索は出来ない。 |
Android、iPhone |
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有料(1,200円税込)。 |
iPhoneのみ |
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カメラでの読み取り機能は少し不安定なことも。 |
Android、iPhone |
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ファインダーで読み取りづらい時がある。 |
Android、iPhone両方で使えるものやどちらかでしか使えないもの、言語の種類が豊富な物、AIで読み取りが可能な物など色々あります。
では1つずつご紹介しますね。
用語多い「音楽用語辞典(8000語以上収録)」
こちらは「音楽用語辞典(8000語以上収録)」で、AndroidでもiPhone(iPad)でも使えます。
言語は、イタリア語、ドイツ語、フランス語、英語に対応。
ちなみにAndroidとiPhoneでは機能に少し違いがあって、用語の調べ方にはそれぞれ2通りあります。
Android版 |
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iPhone(iPad) |
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Androidの右側にあるアルファベット列には、ドイツ語やフランス語の特殊文字(ä・ü・é・â等その他)も書いてあるので便利。
私はこのアプリをAndroidスマホで使う分には特に気になる部分はないですね。
iPhoneで使うときは、Androidのように右側にアルファベット列がない代わりに、用語をAIで読み取って調べられる機能がありますが、使い方は次の通り。
最初にアプリ画面の「AI読取」をタップしてカメラを楽譜などにかざします。その後は下の画像の通りです。
↓
この読み取り機能は便利ですが、楽譜の用語をなかなか読み取れなかったり、読み取った後下に表示される用語をタップしてもなかなか反応しなかったりする事があります。
また、連語は読み取れず、1単語ごと読み取るようになっていました。
急いで調べたい時などは少し不便かもしれません。
私はiPadだったので、本体が重くて読み取りにくいなどの理由もあるかもしれないので、iPhoneだったらもう少し上手くいくかも。
でも、楽譜に用語が複数載っている時は、それらを1度に読み取って下に表示してくれるので、それらを1つ1つタップすれば意味が表示されます(読み取る用語と読み取らない用語があったりしますが)。
でも、普通に検索窓に用語を入力してから調べるのだったら、用語の数も豊富だしとても便利なアプリです。
使いやすい「音楽用語辞典」
こちらのアプリはAndroid用です。
対応している用語はイタリア語のみ(若干日本語も)。
アプリを開くとこのような画面が出て、用語の種類ごとに調べられる項目が分かれています。(自分で用語を入力して調べる機能はありません。)
1番上の「50音別一覧」をタップしてみると、下の画像の左側の部分(ひらがなの一覧)が表示されます。
それを下にスクロールすると、上の画像の右側のようなアルファベット順の検索欄があるので、日本語・アルファベットどちらでも検索が出来ます。
ためしにあ行の「あ」を開くとこんな感じで表示されます。
用語の意味との読み方が表示されていて見やすい画面です。
このアプリはドイツ語・フランス語・英語には対応しておらず、イタリア語も深い専門的な用語は入っていないので、音楽を専門的にやっている方には少し物足りないと思います。
しかし、基本的なイタリア語はカバー出来ていますし、用語を探しやすく使いやすいので、ちょっとした音楽用語検索によさそうです。
頭文字で検索「音楽用語を一発検索!楽語辞典」
こちらはiPhone専用アプリです。
イタリア語、ドイツ語、フランス語、英語のほかに、ラテン語やポーランド語なども若干載っていて情報量はかなり豊富です。
このアプリを開くと、最初にこういう画面になります。
この画面から、調べたい用語の頭文字のアルファベットを選んでタップし検索します。
自分で用語を入力して調べる機能はありません。
試しに「A」を選んで開くと下のような画面が表示されます。
青地で言語の種類と読み方、黒字で意味が書かれていて画面も見やすいです。
用語がたくさんあるとスクロールして探すのがちょっと大変ですが、アプリの使い方もシンプルで用語量も豊富なので、このアプリがあれば音楽用語に困ることはなさそうです。
有料で高機能「6か国語音楽用語辞典(音楽之友社)」
これは、Android、iPhoneどちらにも対応しています。
言語はイタリア語・ドイツ語・フランス語・英語・スペイン語・ラテン語に対応しています。
言語の種類が一番多いのはこのアプリですね。
他のアプリとの大きな違いは有料であること(税込1,200円)。
Androidの場合インストール後、無料のままだと「A」から始まる500語くらいは検索出来るようですがそれ以上は見られません。
iPhone(iPad)は、課金しないとインストールが出来ませんでした。
私は持っていたクーポンを使って少し安くこのアプリを購入してみたんですが、情報量も機能も他のアプリよりもかなり充実していました(Androidで購入)。
さすが有料アプリ。
このアプリを開くと、最初にこういう画面が出ます。
1番上の赤丸で囲んだ所に、調べたい用語をローマ字で入力して検索をします。
では「allegro」という用語を入力してみます。
「allegro」と入れると、その1単語だけでなく連語も色々表示されます。
そして「allegro」を選んでタップすると下のようになります。
言語の種類やカタカナの読み方、意味が書いてありますが、読み方のアクセントの位置が赤文字あるいは青文字で記されます。
また、巻末付録というページがあり、音名・略号・楽器名・数詞(基数詞・序数詞)の情報も載っています。
巻末付録の一部(音名) | 巻末付録の一部(略号) |
ちょっとした音楽用語アプリというより音楽辞典ですね。
専門的にもかなり対応出来そう。
その他、履歴機能・ブックマーク機能・文字サイズ3段階に変更可能・フォントも2種類変更あり、アプリの使用方法もしっかり書かれてあるので、使い方に迷う事はなさそうです。
課金するのがちょっとネックですが、機能的には1番良いアプリですね。
My楽語機能付き「音楽用語一覧検索」
こちらはiPhoneのみで使えます。
イタリア語、ドイツ語、フランス語、英語に対応しています。
このアプリを開くと、最初にこういう画面が出ます。
上の赤丸で囲んだ所に調べたい用語を入力して調べます。
例えば「andante」と入力してみるとこのように表示されます。
黒字で言語の種類と読み方、青字で意味が書いてあります。
用語の意味が書かれた右端にある黄色の星印(赤丸で囲みました)をタップすると、その用語を「My楽語」に登録することが出来ます。
これはいわゆる”お気に入り登録”で、画面下側のピンク丸で囲んだ所をタップすると「My楽語」の画面が開いて、登録された音楽用語を見ることが出来ます。
よく使う用語や、忘れやすい用語等をここに登録しておくと便利ですね。
また、調べて表示された用語をタップすると、WEBで検索された画面が表示されて、andanteに関するより詳しい検索結果が表示されます。
その他の機能として、画面の右下にカメラマークがあり、これで用語を映して検索することも出来ます。
楽譜にiPhoneをかざしてカメラマークをタップすると下のような画面が開き、画面に映っている調べたい用語(赤い波線を引いた所)をタップすると黄色くマーキングされます。
この画像ではあまり見えませんが、実際は赤い波線を引いたところに薄く黄色いマークが出ています。
その後右下に表示される「写真を使用」という所をタップすると、写した画面とその用語の意味を表した画面が表示されます。
もし用語の意味が表示されない時は、赤の波線を引いた「辞書登録ありのみ表示」という所を「全部表示」に切り替えると「辞書データ未登録。Webで検索」となってWeb検索が出来ます。
時々用語を読み取ってくれなかったり意味が表示されないこともありますが、そんなに急いでいない時であればこの機能を使っても良さそうです。
カメラで読み取る「音楽用語ファインダー」
最後にご紹介するアプリは「音楽用語ファインダー」。
これはAndroidでもiPhoneでも使えます。
私はAndroidで使ってみました。
このアプリを開くと下のような画面が出ます。(下の画像は、アプリを開いてすでにスマホを楽譜にかざした状態です。)
カメラを調べたい用語にかざすと、用語が書かれた所に緑のマークが付きます。
そして、調べたい用語の所をタップすると言語の種類、読み方、意味が表示されます(ここではcresc.をタップしました)。
ちなみに、用語を読み取る時に、下の画像のようにスペルを誤って読み取る場合があります。
こういう場合は、スペルを自分で修正するか、下に表示された中から正しいものがあればそれを選択して「調べる」をタップします。
他には、画面の右上にあるペンマークをタップすると用語を入力出来る画面が表示されるので、ここで調べるやり方もあります。
これは、本来読み取った用語のスペルが間違っていた時に修正する画面ですが、読み取りをせずに最初にこのペンマークをタップすれば自分で調べたい用語を入力出来るようです。
このアプリの読み取り機能がどれくらいかといえば、他のアプリ同様一発でパッと読み取るのは少し難しいですね。
調べたい用語をなかなか読み取ってくれなかったりするので、サッと調べるという場合には不便かもしれません。
でも、1度に複数の用語を読み取ることも出来るので、場合によっては便利だと思います。
6つの中でおすすめのアプリは?
今回ご紹介した中で1番高機能のものは、やはり有料の「6か国語音楽用語辞典」ですね。
6ヶ国語に対応していますし、単に音楽用語だけではなく、音楽の略語や記号、ちょっとした楽典の情報まで入っているので、これ1つあれば音楽の現場で困ることはなさそうです。
でも、音楽用語さえ分かればそこまでの高機能は必要ない、ということであれば無料アプリで十分です。
無料のアプリの中だったら、Androidの場合は「音楽用語辞典8000語以上収録」、iPhoneだったら「音楽用語を一発検索!楽語辞典」か「音楽用語一覧検索」が良さそうです。
基本的なイタリア語の用語だけでいい、という事であれば、Android専用ですが「音楽用語辞典」でも良いし、カメラで多数の用語を一度に読み取る機能が気に入ったのであれば、「音楽用語ファインダー」でもいいでしょう。
まとめ
今回は、音楽用語辞典のアプリ6つを機能など比較して使ってみました。
音楽用語辞典を持ち歩くのは大変ですよね。
分からない用語をスマホでネット検索するという方法でもよいかもしれませんが、その場合同じ名前の別のもの(店名など)が表示される事もあり、目的の用語にすぐヒットしない時も。
スマホを使って音楽用語を調べるなら、やはりそれ専用のアプリが1番便利ですね。
普段の荷物を増やすことなく、音楽情報が詰まったツールを持ち運べますから。
音楽用語辞典のアプリをインストールして、ぜひあなたの音楽ライフに役立てて下さい。