音楽系の何か面白そうな本がないかなと思って探していたら、「天才たちの日課」という本が目に留まりました。
この本には、『クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々』というサブタイトルが付いています。
天才たちってどんな人々なのかと思って見てみると、作家、画家、詩人、音楽家、哲学者やその他学者、映画監督、振付師などなど。
音楽家もいるんだと思ったら、これはもう読むしかないと思って手に取りました。
やっぱり天才たちの日課って気になりますよね。
ものすごく個性的な習慣や癖があるのかなと色々想像が膨らみます。
今回は「天才たちの日課(クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々)」を読んだ感想をご紹介します。
「天才たちの日課」の内容と感想
上の画像がこの本の表紙と裏表紙です。
イラストにクリエイティブ感があっていいですね。
ではこの本の内容の説明と、感想や印象に残ったポイントをご紹介します。
天才たち161通りの日課
この本で紹介されている天才たちは161人で職業も国も年代も様々。
天才たちが本に登場する順番は、年代順とか職業別、国別など特に決まっておらず、ランダムに書かれています。
ある日本人も登場しますよ。
本の内容は、天才たちの起床時間や就寝時間、食事のメニュー、コーヒーやお茶の時間、仕事に取り掛かる時間、仕事の前に行う決まりごと、人とのつきあい方、朝型か夜型かなど、本人たちの習慣いわゆる「日課」が書かれています。
ちなみに、天才たちの詳しい経歴や生涯についてはそれほど触れられていません。
1人1人について書かれているページ数は、1/2ページ~4ページほどなので、161人と聞くと多く感じるかもしれませんが、1人分の説明はあっという間に読み終わります。
161人の天才たちのうち最も多く登場するのは作家で、音楽家は19人出てきます。
書かれている音楽家たちは次の通り。
- モートン・フェルドマン
- モーツァルト
- ベートーベン
- ショパン
- マーラー
- リヒャルト・シュトラウス
- ベンジャミン・ブリテン
- ジョン・アダムズ
- スティーヴ・ライヒ
- ストラヴィンスキー
- エリック・サティ
- ショスタコーヴィチ
- ルイ・アームストロング
- ガーシュウィン
- グレン・グールド
- シューベルト
- リスト
- チャイコフスキー
- ラフマニノフ
古典派から現代の音楽家まで幅広い世代に渡っています。
それでは次にこの本の感想をご紹介しますね。
電子書籍なら紙の本よりお得!→Amazon Kindle
感想:楽しく読める天才たちのルーティン
この本の著書は、メイソン・カリーというアメリカのライターの方です。
翻訳された文章なので若干堅苦しさはありますが、読みづらいということはありません。
内容が面白いしエピソードが個性的なので、楽しくスイスイ読めます。
先程も書きましたが、1人あたりの説明が1/2~4ページほどなので、ちょっと読むとすぐ次の人物の項になるので、飽きることなく読み続けられます。
天才たちの面白い日課を少しだけご紹介します。
セーレン・キルケゴール(哲学者) | コーヒーを飲むとき、砂糖を空のカップに入れてカップの縁よりも高く砂糖の山を作り、その上に濃いコーヒーを注ぎ砂糖のピラミッドを溶かして一気飲み。 |
ルイ・アームストロング(音楽家) | 民間療法と自己流の健康管理に凝っていた。それは医学的にはあまり良ろしくない内容だったが本人には合っていて、ハードスケジュールでも毎回ハイレベルな演奏をこなした。 |
グレン・グールド(音楽家) | ラジオとテレビをいつもつけっぱなしにしていた。 |
ベンジャミン・ブリテン(音楽家) | 朝は冷たいお風呂に入り、夕方に熱いお風呂に入る。 |
ショスタコーヴィチ(音楽家) | 作曲をするときは猛スピードで楽譜を書き修正もほとんどしない。本人は、作曲というのは厳粛な作業なのに、自分は無茶苦茶なスピードで作曲してしまう、と悩んでいた。 |
ベートーベン(音楽家) | 朝、必ず1杯につきコーヒー豆60粒で淹れたコーヒーを飲んだ。 |
本の中には、天才たちのおもしろい日課やエピソードがまだまだたくさん書かれていますよ。
印象に残ったポイント
この本を読んで印象に残ったポイントは次の3つです。
- 散歩を習慣にしている人が多い。
- 自分の軸をブレずにしっかりと持っている。
- 仕事にいつでもカッチリ規則正しく取り組む人もいれば、そうでない人も。仕事・人生・自分を取り巻く環境に対しての考えも、天才たちとはいえ人それぞれ。
全体を通して感じた印象は、「散歩を習慣にしている人が多い」ということです。
朝に散歩する人や一仕事終えてから午後に散歩する人など時間帯は色々ですが、散歩中に良いアイデアが浮かぶなど、仕事上散歩が欠かせないという人が多かったです。
その逆で、グレン・グールドのように日光が嫌いで散歩の習慣がなさそうな人もいました。
また、これだと決めたら周りの環境に流されず、それをやり通すというような「ブレのない軸」は多くの天才たちに共通しています。
自分のやり方を頑ななまでに貫くような芯の強さですね。
自分の仕事のやり方は、気が向いても向かなくても毎日時間をキッチリ決めて取り組む人もいれば、気が向いた時だけ寝食を忘れたようにやる、午前中だけやる、夜中から明け方にやるなど様々。
この本に登場する天才の1人アン・ビーティ(アメリカの作家)の言葉に、「 人の体はそれぞれ違う時計に従っていると思う。」というのがありました。
どういうやり方がよりクリエイティブな仕事に向いているか、ということではなく、自分に合ったやり方で仕事に向き合い続ける事が大切なんだと考えさせられます。
立派なお手本になるような日課を持った天才もいれば、超自堕落な生活が習慣化しているような天才もいますが、だからこそ人間は面白いのかもしれません。
天才とはいえ1人の人間ですから、仕事では天才的な能力を発揮してもそれ以外はさっぱり、みたいなところがあるからこそ人間味があると言えそうです。
まとめ
今回は、「天才たちの日課(クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々)」の本の内容や感想、印象に残ったポイントについてご紹介しました。
天才たちと言っても日課がみんな同じ傾向ということはなく、普通の会社勤めのような気質の人もいれば、かなり風変りの人もいたりなど千差万別。
自分の仕事の取り組み方や習慣に迷いがある人などは、この本に登場する天才たちの日課を参考に自分に取り入れてみると、何か方向性が見えてくるかもしれません。
あるいは、あなたが好きな天才が行っていた習慣を自分に取り入れてみると、新鮮な気持ちになって生活にハリが出て来るかもしれませんよ。
よりお得に読むなら電子書籍で!Amazon Kindle