音名の読み方は各国いろいろ。「ドレミ」は日本語じゃない?

花の音符が書かれた楽譜の画像です。 音楽通論

音楽の基本といえば、音名「ドレミファソラシ」。

これがないと音楽が始まりません(もちろん例外もありますが)。

この音名は、日本ではドレミファソラシと読んでいますが、海外では国ごとに読み方が違います。

しかも、日本で普通に使われているドレミですが、実を言うとこれは日本語ではありません。

驚いた方もいらっしゃると思いますが、ドレミは日本語の読み方がちゃんとあるんですよ。

という訳で、日本を始めいろんな国の音名「ドレミファソラシ」の読み方を調べてみました。

ぜひ参考になさってくださいね。

色んな国の音名の読み方

ドレミの音階が書かれた譜面に様々な国旗のイラストが描かれています。

ドレミの音階

それでは、いくつかの国の音名の読み方を見ていきましょう。

日本の他に、ヨーロッパやアメリカの読み方を見ていきます。

音名の読み方いろいろ

ファ
日本
イタリア Do(ド) Re(レ) Mi(ミ) Fa(ファ) Sol(ソル) La(ラ) Si(スィ)
ドイツ C(ツェー) D(デェー) E(エー) F(エフ) G(ゲー) A(アー) H(ハー)
アメリカ・イギリス C(スィー) D(ディー) E(イー) F(エフ) G(ジー) A(エー) B(ビー)
フランス Ut(ウト) Ré(レ) Mi(ミ) Fa(ファ) Sol(ソル) La(ラ) Si(スィ)
スペイン Do(ド) Re(レ) Mi(ミ) Fa(ファ) Sol(ソル) La(ラ) Si(スィ)

日本語のドレミファソラシの読み方は「ハニホヘトイロ」なんです。

でも、楽譜を読むときにハ二ホ~なんて読み方をしたことはないけど、と思った方もいらっしゃるでしょう。

このハニホ~という読み方は、日本の楽典上で使われるものであって、音符を声に出して読むときに使われることはありません。

※楽典とは、楽譜の読み書きや、その他音楽関連の基本的な知識のことを言います。

ルミ
ルミ

学校の音楽の授業で教えられたり、その他音楽大学の入学試験問題などでも取り上げられます。

日本以外の読み方を見てみましょう。

ドイツとアメリカ・イギリスは、発音が異なりますかシの音を除けばアルファベットは同じです。

一方、イタリアやスペインの読み方を見ると「ドレミファソラシ」となっていますね。

フランスの読み方も、ドの読み方は少し違いますがイタリアやスペインと似ています。

じゃあ、この「ドレミ~」という言葉はイタリア語とかスペイン語なのかというと、もうちょっと色んな事情が含まれているんです。

その説明はあとでするとして、先にシャープ・フラット付きの読み方を見ていきましょう。

シャープ・フラット付の音名の読み方

先程は普通のドレミ~でしたが、音符にはシャープ(#)やフラット(♭)が付いたものもあります。

その場合は読み方が違ってくるので、次はその一覧表を見ていきましょう。

まずシャープ系の音名からいきます。

シャープ系とフラット系は、スペル・読み仮名が長めなので、2段に分けて書きますね。

#ド #レ #ミ #ファ
日本 嬰ハ(えいは) 嬰ニ(えいに) 嬰ホ(えいほ) 嬰ヘ(えいへ)
イタリア Do diesis(ド ディエズィス) Re diesis(レ ディエズィス) Mi diesis(ミ ディエズィス) Fa diesis(ファ ディエズィス)
ドイツ Cis(チス) Dis(ディス) Eis(エイス) Fis(フィス)
アメリカ・イギリス C sharp(スィー シャープ) D sharp(ディー シャープ) E sharp(イー シャープ) F sharp(エフ シャープ)
フランス Ut dièse(ユト ディエーズ) Ré dièse(レ ディエーズ) Mi dièse(ミ ディエーズ) Fa dièse(ファ ディエーズ)
スペイン Do sostenido(ド ソステニード) Re sostenido(レ ソステニード) Mi sostenido(ミ ソステニード) Fa sostenido(ファ  ソステニード)
#ソ #ラ #シ
日本 嬰ト(えいと) 嬰イ(えいい) 嬰ロ(えいろ)
イタリア Sol diesis(ソル ディエズィス) La diesis(ラ ディエズィス) Si diesis(シィ ディエズィス)
ドイツ Gis(ギス) Ais(アイス) His(ヒス)
アメリカ・イギリス G sharp(ジー シャープ) A sharp(エー シャープ) B sharp(ビー シャープ)
フランス Sol dièse(ソル ディエーズ) La dièse(ラ ディエーズ) Si dièse(スィ ディエーズ)
スペイン Sol sostenido(ソル ソステニード) La sostenido(ラ ソステニード) Si sostenido(スィ ソステニード)

日本語でシャープは「嬰(えい)」と表しますが、これもハニホ~と同じく楽典上の読み方であり、音符を声に出して読む時は「シャープ」と言うのが一般的。

ドイツのシャープは「is」付けて表し、アメリカ・イギリスは私達も普段聞きなれている「sharp(シャープ)」という言葉を付けます。

イタリアはdiesis(ディエズィス)、フランス(ディエーズ)と両国のシャープは割と似ていますし、スペインはsostenido(ソステニード)とまた独特。

ルミ
ルミ

国ごとに読み方って全く違いますね。イタリア・フランス・スペインの読み方は難しそう。

次はフラット系の音名を見ていきます。

♭ド ♭レ ♭ミ ♭ファ
日本 変ハ(へんは) 変ニ(へんに) 変ホ(へんほ) 変ヘ(へんへ)
イタリア Do bemolle(ド ベモレ) Re bemolle(レ ベモレ) Mi bemolle(ミ ベモレ) Fa bemolle(ファ ベモレ)
ドイツ Ces(チェス) Des(デス) Es(エス) Fes(フェス)
アメリカ・イギリス C Flat(スィーフラット) D Flat(ディーフラット) E Flat(イーフラット) F Flat(エフフラット)
フランス Ut bémol(ユト ベモル) Ré bémol(レ ベモル) Mi bémol(ミ ベモル) Fa bémol(ファ ベモル)
スペイン Do bemol(ドゥ べモル) Re bemol(レ べモル) Mi bemol(ミ ベモル)) Fa bemol(ファ べモル)
♭ソ ♭ラ ♭シ
日本 変ト(へんと) 変イ(へんい) 変ロ(へんろ)
イタリア Sol bemolle(ソル ベモレ) La bemolle(ラ ベモレ) Si bemolle(スィ ベモレ)
ドイツ Ges(ゲス) As(アス) B(ベー)
アメリカ・イギリス G Flat(ジー フラット) A Flat(エー フラット) B Flat(ビー フラット)
フランス  Sol bémol(ソル べモル)  La bémol(ラ べモル) Si bémol(スィ べモル)
スペイン Sol bemol(ソル べモル) La bemol(ラ べモル) Si bemol(スィ べモル)

日本語でフラットは「変(へん)」と言いますが、これも普段声に出して読む時には「フラット」と言いますね。

ドイツでは基本的に「es」を付けますが、ラのフラットはsのみ、またシのフラットは「B」と少し変則的な部分もあります。

アメリカ・イギリスは「Flat(フラット)」、イタリアは「bemolle(ベモレ)」、フランスは「bémol(べモル)」、スペインは「bemol(べモル)」。

ルミ
ルミ

ドイツは独特、アメリカ・イギリスは英語圏の国なので同じ、イタリア・フランス・スペインの3カ国は似た部分が多い、という特徴が見えてきますね。

ここまでご紹介してきたドレミの読み方ですが、この「ドレミ」はいったいいつから使われているんでしょう。

次に、ドレミの発祥についてご説明しますね。

ヨハネ賛歌から出来たドレミ

讃美歌を歌っている天使の画像です。

讃美歌を歌っている天使たち

そもそも「ドレミ」という音名はいつから使われているのでしょうか。

元々ドレミという言葉は、ラテン語のグレゴリオ聖歌で歌われている「ヨハネの夕べの祈り」というヨハネ賛歌の歌詞から使われています。

つまり、ドレミはラテン語を起源とする言葉。

その歌詞をご紹介しましょう。

Ut queant laxis Resonare fibris Mira gestorum Famuli tuorum Solve polluti Labii reatum Sancte Iohannes .

この歌詞は、「彼らの汚れた罪を清めてください」という聖ヨハネへ救いを求める意味を表しています。

この歌は、各節の音の高さを1音ずつ順に上げながら歌われるのですが、その各節の最初の言葉を音を示す名前に利用したと言われています

ルミ
ルミ

分かりやすくするために、各節の最初の文字だけ太字にしてみましたが、そこを読んでみると「ウト・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」と読めますね。

この読み方は、フランス語のドレミとほぼ一緒。

さらに、しもべ達という意味を表す「Ut queant laxis」が、主(イエス)を表す言葉「Dominus→ド」に変わり、イタリア語やスペイン語の読み方であるドレミになりました(諸説あり)。

そしてこれを考え出したのが、中世イタリアの音楽教師グイード・ダレッツォです。

彼が生きた時代は西暦990年頃から1050年頃。

ちなみに、バロック音楽で有名なJ.Sバッハが生きた年代は1685年~1750年なので、「ドレミ~」が考え出されたのがとても古い時代だという事がよく分かりますね。

まとめ

今回は、音名の読み方についてまとめてみました。

国ごとによっていろいろな音名の読み方がありましたね。

日本は少し特殊ですが、ドイツとアメリカ・イギリスは音名のアルファベットはほとんど同じですし、イタリア・フランス・スペインの音名はかなり似ています。

また日本では楽典上「ハニホへ~」を学びますが、クラシック界ではドイツ語の「ツェーデーエーエフ~」の読み方が多く使われます。

その他、ポピュラー・ジャズ界では「スィーディーイーエフ~」のアメリカ・イギリス式の読み方が一般的。

このように日本では音楽のジャンルによって音名の読み方が違います。

ジャンルなどにより音名の読み方が変わるのはややこしいですが、使い分けることによりその音楽の個性を表しているとも言えます。

そう考えれば、いろいろな音名の読み方があるというのはおもしろいですね。

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