オーケストラの編成ってどうなってるの?人数など詳しく解説

オーケストラの画像です。 オーケストラ

オーケストラといえば、弦楽器や木管楽器・金管楽器・打楽器など多くの楽器が集まって演奏する「これぞクラシック」みたいなもの。

実際に演奏しているオーケストラを見ると、舞台いっぱいに演奏者がたくさんいる場合や、逆にこじんまりとした人数で演奏している場合など、色々ありますよね。

大編成だと人数も多いので見ているだけで迫力がありますし、表現の幅も広くなります。

また、少編成の場合は、奏者1人1人がよく見えますし、楽器の繊細な表現を感じ取りやすくなります。

人それぞれ好みもあるでしょうが、編成が大きくても小さくてもどちらもオーケストラには違いありません。

では、具体的にオーケストラの編成はどのようになっているのでしょうか?

ただ適当に人数や楽器を割り振っているのではなく、ある程度の型がちゃんと決められているんです。

今回は、オーケストラの編成について色々調べてみましたのでご紹介しますね。

※今回ご紹介する編成の詳細は、あくまでも基本的なもので、曲や演奏団体、指揮者の好みにより異なる場合もあります。

オーケストラの編成の種類

指揮者がいるオーケストラの画像です。

指揮者とオーケストラ

それでは、オーケストラの編成の種類を見ていきましょう。

編成の種類 オーケストラの人数
1管編成 30人程
2管編成 35人~70人程
3管編成 80~90人程
4管編成 90人~110人程
5管編成 120人程
6管編成 130人程
7、8,9管編成 145人~190人程

編成の種類名に書かれている「管」とは、木管楽器(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット)の事を表しています。

例えば2管編成だったら、木管楽器が各2人ずつということ。

つまり木管楽器の人数を基準に弦楽器や金管楽器の人数が調整され、オーケストラ全体の編成が決まります。

演奏されることが最も多いのは、2管編成~4管編成の曲。

5~6菅編成は比較的新しい時代の曲に多く、7~9管編成は限られた曲のみで曲数も少なく、1管編成は例外もありますが、バロックなど古い時代やごく最近の新しい曲に多い傾向があります。

ルミ
ルミ

編成は曲が作られた時に作曲者自身によって決められおり、例外を除いて指揮者や演奏者によって変わることはあまりありません。

それでは、1つ1つの編成を詳しく見ていきましょう。

ちなみに、オーケストラの楽器がどのように配置されているかお知りになりたい方はこちらをどうぞ。

それでは、1つ1つの編成を詳しく見ていきましょう。

少人数の1管編成

それでは、1管編成から見ていきます。

弦楽器 人数 木管楽器 人数
第1バイオリン 8人程 フルート 1人
第2バイオリン 6人程 オーボエ 1人
ビオラ 4人程 クラリネット 1人
チェロ 2人程 ファゴット 1人
コントラバス 1~2人程 金管楽器 人数
ホルン 2人
トランペット 1人
トロンボーン 1人
打楽器 人数
ティンパニなど 1人

1管編成は総勢30人程度で規模的に室内オーケストラと呼ばれ、編成もこの一覧表通りでなく変則的になることもあります。

木管楽器が1人とは限らず2人いたり、編成に含まれない楽器もあったり、あるいは打楽器が1人もいない場合など、曲によって変わります。

ちなみに、編成が小さいと1人1人の演奏者の音がよく聞こえるんですよね。

特に管楽器の音は1人1人よく聞こえるので、演奏する時にかなり緊張感があります。

ルミ
ルミ

少しでもヘマをするとすぐに分かっちゃうので、手が抜けません。

では次に2管編成を見ていきます。

最も一般的な2菅編成

最も一般的で、馴染みのあるクラシック曲が一番多いのがこの2管編成です。

弦楽器 人数 木管楽器 人数
第1バイオリン 8~12人程 フルート 2人
第2バイオリン 6~10人程 オーボエ 2人
ビオラ 4~8人程 クラリネット 2人
チェロ 3~6人程 ファゴット 2人
コントラバス 1~4人程 金管楽器 人数
ホルン 2~4人程
トランペット 2人
トロンボーン 2人
チューバ 1人
打楽器 人数
ティンパニ、その他 1~2人

2菅編成は、モーツァルトなどの1700年代の古典からチャイコフスキーなどが活躍した1800年代後期ロマン派まで、音楽の移り変わりや楽器の発展などにより、曲によって演奏者人数が変わってきます。

ルミ
ルミ

1菅編成に近いものや、3菅編成に近いものなど、曲によってけっこう違いがあるんですよ。

次は3菅編成を見ていきましょう。

ちょっと大きい3管編成

3菅編成あたりから、特殊楽器と言われるものも含まれてきて規模も大きくなってきます。

それでは詳しい編成を見てみましょう。

楽器 人数 木管楽器 人数
第1バイオリン 14人程 フルート 2人
ピッコロ 1人
第2バイオリン 12人程 オーボエ 2人
コーラングレ 1人
ビオラ 10人程 クラリネット 2人
エスクラリネットまたはバスクラリネット 1人
チェロ 8人程 ファゴット 2人
コントラファゴット 1人
コントラバス 6人程  金管楽器 人数
ホルン 4人
トランペット 3人
トロンボーン 3人
チューバ 1人
打楽器 人数
ティンパニ、その他 1~3人
その他の楽器 人数
チェレスタやハープなど 1人

ピッコロ・コーラングレ・バスクラリネットやエスクラリネット・コントラファゴットなど、2管編成までになかった新しい楽器が出てきましたね。

これらは、フルート・オーボエ・クラリネット・ファゴットそれぞれの同属楽器であり、俗に特殊管と呼ばれます。

分かりやすくするために、表の楽器名の所に仲間同士で同じカラーの印を付けました。

また、弦楽器も人数が増え、先程ご紹介した特殊菅の他ハープなども加わり、総勢80~90人程まで膨れ上がって編成に少し迫力が出てきます。

この編成は主にロマン派後期あたりから近代頃までの曲に多く、ラヴェルが活躍した1920~30年代頃に完成されました。

ルミ
ルミ

3菅編成になると、楽器の種類や人数も増えるし、聴き応えのある華やかなサウンドになります。 

次は4管編成を見ていきましょう。

人数にボリュームが出てくる4管編成

4管編成になるとオーケストラの人数も100名前後になり、客席から見ていてもオケ全体にボリュームが出ているのが分かります。

編成の詳しい内容は以下の通りです。

弦楽器 人数 木管楽器 人数
第1バイオリン 16人程 フルート 3人
ピッコロ 1人
第2バイオリン 14人程 オーボエ 3人
コーラングレ 1人
ビオラ 12人程 クラリネット 3人
バスクラリネットまたはエスクラリネット 1人
チェロ 10人程 ファゴット 3人
コントラファゴット 1人
コントラバス 8人程度 金管楽器 人数
ホルン 4~6人
トランペット 3~4人
トロンボーン(バストロンボーンが含まれる事もアリ) 3~4人
チューバ 1~2人
打楽器 人数
ティンパニ、その他 1~6人程度
その他の楽器 人数
チェレスタやハープなど 1~3人

この編成は近代・現代の時代の曲に多く、マーラーやストラヴィンスキーなどによく見られます。

ルミ
ルミ

ロマン派のワーグナーの曲(1800年代半ば以降)にもこの編成が見られますね。

ちなみに、この4管編成が完成されたのは、リヒャルト・シュトラウスが活躍した頃(1800年代の終わり~1900年代の半ばくらい)。

クラシック音楽の中では割と新しい型の編成です。

では、次に5管編成を見ていきます。

さらに規模が大きくなる5管編

さらに人数が増え、オケ全体にスゴ味も出てくる5菅編成。

詳しい編成は以下の通りです。

弦楽器 人数 木管楽器 人数
第1バイオリン 20人程 フルート 4人
ピッコロ 1人
第2バイオリン 18人程 オーボエ 4人
コーラングレ 1人
ビオラ 16人程 クラリネット 4人
バスクラリネットかエスクラリネット 1人
チェロ 14人程 ファゴット 4人
コントラファゴット 1人
コントラバス 10人程 金管楽器 人数
ホルン 8人程
トランペット 5~6程
トロンボーン 3~5程
チューバ 2人程
打楽器 人数
ティンパニ、その他 7人程
その他の楽器 人数
ピアノ、ハープ、オルガン、チェレスタ、ギター、マンドリンなど 数人

このくらい大きな編成になると、今までに出てこなかった楽器もでてくるようになります。

ピアノ、オルガンなどの鍵盤楽器やギター、マンドリンなどの楽器も含まれる場合もあり、舞台がかなり華やかな感じになりますね。

この5管編成の曲は、マーラー、ストラヴィンスキー、リヒャルト・シュトラウス、シェーンベルクなど、1900年以降の時代のものがほとんどです。

ルミ
ルミ

曲の難易度も上がってきます。

では、6管編成を見ていきましょう。

巨大な規模の6管編成

6菅編成の曲はそれ程多くなく、曲がかなり限られてきます。

今回は、オリヴィエ・メシアン作曲のオペラ「アッシジの聖フランチェスコ」を6菅編成の1例として見てみましょう。

弦楽器 人数 木管楽器 人数
第1バイオリン 16人程 フルート 3人
ピッコロ 3人
アルトフルート 1人
第2バイオリン 16人程 オーボエ 3人
コーラングレ 1人
エスクラリネット 2人
ビオラ 14人程 クラリネット 3人
バスクラリネット 1人
コントラバスクラリネット 1人
チェロ 12人程 ファゴット 3人
コントラファゴット 1人
コントラバス 10人程 金管楽器 人数
ホルン 6人
トランペット 3人
ピッコロトランペット 1人
トロンボーン 4人
チューバ 2人
コントラバスチューバ 1人
打楽器 人数
 ヴィブラフォン、グロッケンシュピール、シロフォン、シロリンバ、マリンバ、スネアドラム、シンバル、トライアングル、その他いっぱい 10人程
その他の楽器 人数
オンド・マルトノ 3人

また、新しい特殊管が出てきたので、同じ仲間同士の楽器には同じカラーの印をつけました。

オーケストラの編成は木管楽器の人数で編成が決まる、とのことでしたが、この編成表を見ると必ずしも6人にはなっていませんね。

4人だけのパートもあれば7人もいるパートもありますが、この曲は「6管編成の曲」に分類されています。

6管編成の場合、単純に計算すると木管楽器の人数はフルート・オーボエ・クラリネット・ファゴットの4パート×6人=24人(5管編成だと20人)。

この曲は木管楽器の数が22人で5管編成の20人を超えているので、6管編成になると考えられます。

このように、6管編成以上になるとかなり変則的になる場合も多いです。

ルミ
ルミ

ここまで人数が増えると音量もすごいので、全員で一斉に音を出している時に自分の音がよく聞こえないんですよね。

では、さらに大きな7~9管編成を見ていきましょう。

超巨大な7~9管編成

ここまで大きな編成になると一般的な編成ではなくなりますし、曲が演奏される機会もそれほど多くありません。

ここでは、ブライアン作曲の交響曲第1番「ゴシック」を参考例として見ていきましょう。

弦楽器 人数 金管楽器 人数
第1バイオリン 20人 ホルン 8人
トランペット 4人
第2バイオリン 20人 コルネット 2人
ビオラ 16人 バス・トランペット 1人
テナー・トロンボーン 3人
チェロ 14人 バス・トロンボーン 1人
コントラバス・トロンボーン 1人
コントラバス 12人 ユーフォニアム 2人
チューバ 2人
木管楽器 人数 打楽器 人数
ピッコロ 2人 ティンパニ 2人
フルート 6人 シロフォン、シンバル、タンバリン、銅鑼、チャイム、トライアングル、グロッケンシュピール、鎖、その他いっぱい 数十人
オーボエ 6人 その他の楽器 人数
コーラングレ 2人 ハープ 2人
エスクラリネット 2人 オルガン 1人
クラリネット 4人 チェレスタ 1人
バセットホルン 2人 オフ・ステージのバンダ隊 数十人
バスクラリネット 2人
コントラバス・クラリネット 1人
ファゴット 3人
コントラファゴット 2人

また新しい特殊管が出てきましたので、仲間同士の楽器は同じカラーの印をつけてあります。

この他、声楽のソリストと合唱が加わります。

声楽 人数
ソプラノ・アルト・テノール・バスのソリスト 各1人で合計4人
混声合唱 500人
児童合唱 100人

この曲は8菅編成です。

しかも、バンダという音楽隊もいます。

バンダとは、舞台裏や客席の一部などで演奏する、舞台上のオーケストラとは別の音楽隊のことです。

バンダも含めてオーケストラの人数が約190人、合唱と独唱者が600人少々ですべて含めると800人という訳の分からない大きさ。

もちろんこんな大人数だと普通のホールでは全員舞台に乗り切れないので、客席の部分もオケプレイヤーや声楽ソリスト・合唱の席として使うことも。

私はこの曲を演奏したことはありませんし生演奏を見たこともありませんが、動画で見たことはあります。

ルミ
ルミ

生でないとはいえ、それでも十分にド迫力がありました。

人数が多くなるとそれだけ音量も増しますし、楽器の種類が増えることにより響きもより多彩になります。

ここまで大型の編成は数少ないのでとても貴重ですね。

では次に、オーケストラの編成に関する用語をいくつかご紹介します。

オーケストラの編成に関する用語

音楽ホールでオーケストラが演奏している画像です。

音楽ホールとオーケストラ

では、オーケストラの編成に関してよく使われる用語をいくつかご紹介しましょう。

これが分かれば、編成の事をより深く理解できますよ。

  • 倍菅
  • アシ
  • プルト
  • 弦5部
  • 8型・10型・12型・14型・16型・18型・20型

それでは1つずつ見ていきます。

通常の2倍の人数にする「倍管」

これは言葉の通り編成の人数を「倍」にするということで、主に2菅編成の人数を2倍にすることを意味します。

しかし、2菅編成の全楽器をそのまま2倍にするのではなく、木管楽器(フルート・オーボエ・クラリネット・ファゴット)だけを2倍にすることが多いですね。

しかし、曲の間中ずっと倍の人数で吹き続けるのではありません。

ルミ
ルミ

音量が大きい部分は倍になった人数で吹きますが、ピアニッシモなど音の小さい箇所やソロの部分は本来の人数で吹きます。

倍菅にする理由としては、本来の人数だけでは響きが足りなさそうな大きなコンサートホールに対応するためです。

通常は木管楽器のみを2倍にしますが、音楽団体や指揮者の好みによって、弦楽器や金管楽器(ホルン・トランペット・トロンボーンなど)も2倍にしたり、3菅編成以上で倍菅にすることもあります。

補助的な役割の「アシ」

これは「アシスタント」の略で、管楽器のプレイヤーの補助的な役割を果たす演奏者のことを言います。

アシを付ける理由は、管楽器奏者がなるべくストレスの少ない状態でソロ演奏に専念出来るようにするため。

オーケストラ曲の管楽器には「ソロ」という部分があります。

これは言葉の通り1人で吹くことで、大きな精神的ストレスを伴います。

ルミ
ルミ

自分の音だけがホール中に響き渡るのは、最高の快感と同時に大きなストレスも伴います。

しかも、大事なソロの所でミスをすると、それは単純にその人個人の失敗ではなくオーケストラ全体の失敗になってしまうので、プレッシャーがハンパないんですよね。

長大な曲や体力の消耗が激しい曲の時のソロは普段以上にキツイものですが、こういう時に「アシ」が役立ってくれます。

みんなで一斉に吹いているような箇所はアシの方にお任せして自分は軽く吹くくらいにし、ソロに備えて肉体的・精神的な体力を温存するわけです。

ちなみに、1番奏者に付くアシのことを「1アシ」と言います。

譜面台の数を表す「プルト」

「プルト」とはドイツ語で机や譜面台のこと。

弦楽器は1つの譜面台を2人で見るので、1つのプルト=2人を意味します。

ちなみに、「プルト」とは言わず、略して「プル」と言う事が多いです。

時々弦楽器の方々が「今回の曲は何プルでいく?」と話しているのを耳にすることがありますね。

「弦5部」と色んな「型」

弦5部とは、第1バイオリン、第2バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの5つのパートのことです。

オーケストラの弦楽器の編成は大抵この5パートから成り立っています。

ルミ
ルミ

曲目解説などでよく弦5部と書かれているけど、それはこの事です。

また、弦楽器の編成についてよく使われる用語に、8型・10型・12型・14型・16型・18型・20型があります。

次の一覧表を見てみましょう。

第1バイオリン 第2バイオリン ビオラ チェロ コントラバス プルトの比率
8型 8人 6人 4人 3人 1~2人 4:3:2:1:1
10型 10人 8人 6人 4人 2~4人 5:4:3:2:1
12型 12人 10人 8人 6人 4人 6:5:4:3:2
14型 14人 12人 10人 8人 6人 7:6:5:4:3
16型 16人 14人 12人 10人 8人 8:7:6:5:4
18型 18人 16人 14人 12人 8~10人 9:8:7:6:5
20型 20人 18人 16人 14人 10人 10:9:8:7:5

弦楽器の各パートの比率は大体決まっていて、この表のような割合になっています。

ちなみに、各型のオーケストラの編成は次のように当てはまります。

  • 8・10・12型→2管編成
  • 14型→3管編成
  • 16・18型→4管編成
  • 20型→5管編成

パターンが決められているのは20型の5管編成まで。

ルミ
ルミ

それ以上の編成はあまり一般的でなく変則的になりがちなので、特に決まりはないんです。

まとめ

今回は、オーケストラの編成についてご紹介しました。

この記事を書くにあたって色々調べましたが、7~9菅編成は私も初めて知りましたね。

一口にオーケストラと言っても、編成される人数は30人少々の小規模なものから200人近くの大規模なものまで様々。

時代が新しくなるにつれて編成が大きくなる曲が多い傾向があります

小編成であればいかにもクラシックらしい繊細で美しい響きが楽しめますし、大編成は迫力のあるサウンド・表現力の幅の広さ・楽器の種類の多さなど、小編成にはない面白さがあります。

ハイドン・モーツァルトなどの小編成の曲と、リヒャルト・シュトラウスのような大編成の曲のどちらがすばらしいかなんて決められませんよね。

オーケストラのクラシック音楽を楽しむためには、小さい編成も大きい編成もどちらも欠かせません。

落ち着いた音楽が聴きたい時は古典の小編成のもの、メンタルが向上気味で派手な曲を聴きたい時は大編成のものなど、気分によって聴き分けてより音楽を楽しみましょう。

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